キンモクセイの香りが消えて、庭が急に静かになったと思っていたら、今度はバラが咲きだした。近年は、この順番で香りがつながるようになりました。
ところが、そのバラの香りで「あれ」と思ったことはありませんか。苗の札に強香と書かれていたから選んだのに、花に顔をうんと近づけないと香らない。歩いているときには、まったく気づかない。キンモクセイは庭に出る前から香っていたのに、バラは花の前に立っても分からない。
その札は、まちがっていません。香りの強さは、たしかに品種で決まっています。けれども、庭で香るかどうかは、置き場所で決まります。同じ株でも、置く高さを30cm変えるだけで、香る庭と香らない庭に分かれるのです。
理由は、2つの花で香りの届き方が正反対だからです。キンモクセイは拡散型。成分が軽く、風に乗って20mから30m先まで飛びます。だから、どこに植えても香ってくれます。いっぽうバラは接近型。成分の分子が重く、強香の品種でも香りが分かるのは花から50cm以内です。
ここで高さを比べてみてください。立っている大人の鼻は140cmから160cm。秋のバラの花は、夏剪定で切り戻しているので60cmから120cmあたりにあります。つまり香りは、鼻から60cmも下に漂っているわけです。気づかないのが当たり前で、品種のせいではありません。
note記事で紹介している内容
- キンモクセイ(拡散型)とバラ(接近型)で、香りの届き方が正反対になる仕組み
- 秋のバラが春より香りが濃くなる理由と、それを取りこぼしている原因
- 花を鼻の高さに寄せる「鼻合わせ」。目標は花の位置を90cmから160cmの帯に入れること
- 鉢は台で30cmから40cm持ち上げる。大鉢を上げるときの転倒対策
- 地植えは20cmから30cmの盛り土。階段ぎわや擁壁の上をそのまま使う手
- つるバラは120cmから150cmに枝を寝かせて誘引する。高い位置に咲かせると香りが上へ逃げる
- アーチは頂点ではなく側面に咲かせる。窓の下は1mから1.5m離すのが特等席
- 香りがたまる4つの場所と、強香品種でも香らない場所
- 香る鉢を一か所に並べるのが損な置き方になる理由(鼻は数十秒で慣れます)
- 1日4回以上通る動線に置く。見る場所と香る場所を分けて設計する考え方
- 切らずに香りを移す「鉢の出張」。いちばん香る2日から3日だけ玄関へ
- 置き場所から選ぶ香る品種(芳純・ブルームーン・パパメイアンほか)と、誘引で高さを作るつる性品種
品種を買いなおす必要はありません。今ある鉢を、台にひとつ載せるだけの話です。くわしくは、note記事でご紹介しています。
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