いろいろな園芸書に「鉢植えのバラは毎年植え替えましょう」と書かれています。 鉢というのは庭と違って、かなり制約された狭い空間です。 その狭い空間の中にバラの根がいっぱい張っているわけですね。
1年たつと根が鉢いっぱいになって、それ以上成長できなくなっていまいます。 だから、「一回り大きい鉢に植え替えましょう」となるわけです。 腐った根を取り除き、地上部も剪定し、新しい用土が増えた大きい鉢で、 春からバラは生長を始めるわけです。
ただ、「一回り大きい鉢への植え替え」を続けているとだんだん鉢が大きくなって、 うまくいけばバラも大株になっていることでしょう。 ところが、ここで問題があります。
そもそもスペースがないからバラは鉢に入っているわけで、 いくらでも鉢を大きくできるものではありません。 また、大きな鉢から株を抜いて、用土を全部取り替えるというのは大変な作業です。 ツルバラなどでは、ツルがからまっていて、鉢を動かすことさえ不可能な場合もあります。
1/3だけ鉢土を入れ替える
そこで裏技の登場ですが、鉢全部を植え替えるのではなく、3分の1くらいの土だけを入れ替えるという方法があります。 鉢土を扇形に1/3くらい取り替える方法と鉢の外周にそって1/3くらいの土を替える方法がありますが、 方法は基本的に同じです。 時期は真冬が良いでしょう。
鉢壁の内側にスコップを入れて、やさしく切り取る部分の外周の土を取り除きます。 手が入るようになったら、手と割り箸などを使って根をできるだけ切らないように、 土を落とし、取り除きます。 この時に太い根を切るとそこからばい菌が入ったりしますので、気をつけましょう。
右の写真のように鉢底の土が見えるまで古い土を取り除いたら、新しい用土を入れてあげます。 用土はその植物の鉢植え用の用土をそのまま使います。 ただし、根と根の間に土がしっかり入るように、割り箸などで新しい用土をつついて、 根と土をなじませる作業をきっちり行ってください。
新しい用土が入ったら、適宜、置肥などを置き、十分に水遣りしましょう。 たくさんの水をあげることによって、根と土がなじむとともに、微塵が洗い流されます。
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